スタッドレスを1年通して履きたいのですが、それって大丈夫なのですか? そんな疑問を抱いている人も多いのでお答えしましょう。 スタッドレスタイヤは、太い溝があるので、一見水はけが良く、夏の使用も問題なさそうに見えますが 実際はそんなことはありません。 冬が過ぎたら、できるだけ早く夏タイヤに履き替えることをおすすめします。 スタッドレスタイヤには、太い溝が深く刻まれていので、水溜まりに入ったときなどの 排水性能や耐ハイドロプレーニング性能 (※1)は、一見優れているように見えます。 しかし、実際はトレッドに細かく入った切り込みにより、夏用タイヤ(ノーマルタイヤ)よりも 耐ハイドロプレーニング性能は低下しています。 細かく入った切り込みは水圧に負けて変形し、路面とタイヤの間にある水膜を切り取る力を弱くしているのです。 (※1)ハイドロプレーニング現象とは、雨などの水がたまった路面である程度のスピードを出したとき タイヤと路面の間に水が入り込み路面をつかみきれず、浮き上がってしまい、 クルマのコントロールがきかなくなる現象 さらに問題なのは、濡れた路面や乾いた路面でのブレーキ性能です。 夏タイヤに比べて制動距離(※2)が長くなりますので、十分注意しましょう。 スタッドレスタイヤは、冬のアイスバーンに照準をあてて開発しているため、 マイナス20℃という低温でも硬くならないようなゴムを使用しています。 そこで、気温の高い夏場は、スタッドレスタイヤのゴムはさらに柔らかい状態になり、 濡れた路面での摩擦力が低く、滑りやすくなります。 また、乾いた路面ではトレッドに細かく入った切れ込みがブレーキ時にかかる力に負けて 変形しやすくなり、夏タイヤよりもブレーキ性能は劣ります。 (※2)制動距離ブレーキペダルを踏んだ後に、ブレーキが効き始めてからクルマが停止するまでの距離。 上記のような理由により、冬が過ぎたらできるだけ早く夏タイヤに履き変えることをお勧めしますが、 もし夏も引き続きスタッドレスを使用される場合は、次のような点にくれぐれもお気をつけください。 雨の日の交差点などを夏タイヤと同じような感覚で走ると、スタッドレスの場合、大回りしたり、リアが滑ったりします。 また、雨の高速道路で強目のブレーキを踏んだ時に、夏タイヤと制動距離の違いに怖い思いをするかもしれません。
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